「話すことが怖い。でも一人にはなりたくないんだ。」を読んだ話。

そのタイトルに、一瞬で心惹かれた。

「話すことが怖い。でも一人にはなりたくないんだ。」/ 春明 力[著]/ Clover出版

そう、そうなんだよ。
私は傷つくのが怖いけど、人と関わりたくないわけじゃないんだ。

本屋さんで勢いよく半分ほど読んで、そのままレジに行った。

この本をオススメしたい人

内容について触れる前に、この本をどんな人にオススメしたいか?を考えてみる。

こんな人にオススメ!
① 従来のビジネス本や自己啓発本の文体合わないと感じる人
② 台詞や言葉を自分の力にできる人

この本はジャンルでいうとビジネス本に分類されるのだろうか。
解釈は分かれそうだ。
ざっくり区分すると「自分を変えたいなと思った時に手にする」本だろうか。

その手の本は「こんなことを実践してみましょう」と手順が書いてあることが多い。
しかし、この本については大分違う。
文体が「物語」なのだ。

主人公の、そしてその周囲の人たちの「物語」を読む本なのである。

まずそこで気になるのが、ノンフィクションなの?フィクションなの?という部分。
ちなみに私は、読むのに夢中になり過ぎて最後までそんな事はどうでもよかったのだが…笑

結論から言うと「小説なのでフィクション」だ。
著者の春明氏が自身のブログでそのように書いている。

春明氏のブログ記事:この本はどこまでが真実か?ーブレイクダンスは??セリフは??

ただ、記事の中にあるように「経験していない事は書けない」ので決して全部が作られた物語というわけではない。
私は、著者が経験したことを人に伝えるために再構築した「物語」だと思う。

どんな内容?

【主な登場人物】

・鈴木 達也:物語の主人公。ウェブサイト制作会社の営業マン。
・藤原 青希:主人公の親友。事故がきっかけでしばらく音信不通だったが…。
・山田先輩 :達也の会社の先輩。積極的に動いているようには見えないが、営業成績1位。

【あらすじ】

ウェブサイト制作の営業マンとして働く鈴木達也は、冴えない日々を送っていた。
営業成績は下から数える方が早い。
成績発表がある度に、部長からは小言が飛んでくるし、飲み会だって苦痛だ。
とにかく、人に疲れていた。
だからって、一人が好きなわけじゃない。一人でいるのが楽なだけだ。

そんな日々を過ごす達也だったが、ある日突然、長く音信不通だった親友から連絡が来る。

『達也だよね?青希だけど、久しぶり!』

小学生の頃から、一緒にブレイクダンスに挑戦して、大会にも出場した親友。
高校生の時の事故ががきっかけでずっと会っていなかった。
あの日、病院でひどいことを言ってしまったから…

「青希…、大丈夫だよ…、がんばって…。」

「…もう、達也には関係ない。」

その日以来、達也は言葉が怖くなっていた。
大事な人ほど、大事な言葉ほど、伝えるのが怖くなる。

なぜ今頃、青希から連絡が…?
もしかしたら僕を恨んでて…

しばらく悩んだ末、返信をしたら2週間後に青希と会うことになる。

久々に会う親友の言葉は達也にどんな影響を与えるのだろうか…?

「言葉」を自分解釈で取り込む

本のサブタイトルに「あなたが知らない 最高の自分に気づく40の言葉」とあるように、
物語の随所に著者が伝えたい「言葉」が盛り込まれている。

私が思うに、これら全部に共感する必要はない。
これは違うなって直感的に思ったら、それはそれでいいんだと思っている。

気になる言葉を見つけたら、自分に投影して考えてみる。
私の場合はどうだろうか?
すんなり自分の中に言葉が入ってきそうだったら、独自解釈を加える。
この言葉は自分の〇〇な部分、あの状況を考える時に使ってみよう、とか。
なるほど、あの時はこう思いこんでたけど、この言葉を解釈に追加したら違う見方もできるかもしれないな、とか。

うまくまとまっていない気がするから、具体例を挙げてみる。

「山田先輩に迷惑かけてるし…」
「え?山田さんから、迷惑だって言われたの?」

これは主人公と青希の会話だ。
私も仕事でADHDの特性によるミスが多く、先輩に対して「一生懸命教えてくれてるのに申し訳ない」「迷惑だろうな」とか考えている。
その状況に言葉を当てはめてみる。

すると…
確かに本人から迷惑だとは言われてない。
それどころか「〇〇さん(私の名前)が出来るようになってくれたら嬉しいし」と言ってくれている。
つまり迷惑って部分は私の思い込みで、勝手に諦めようとしてるだけだ。

…と解釈の変換につながる。
無論、本人と話すのが一番正確だし、ずっと同じことしてたら迷惑になるとか限度もあるとは思うんだけど。
またそれは別の問題で、「自分の思考のクセに気づく」みたいなやり方が出来る。

要するにその言葉が好きだとか気になるって段階で止めないで、自分の中に落とし込むって作業が大事なのかなと思う。

ビビッとくる言葉は人それぞれ違うと思うので、色々と試すと面白いかもしれない。

内面に向き合うきっかけをくれる、そんな本だ。
読んでどうするか…何がやりたいのか…どうなりたいのか…
そこは、読者それぞれに委ねられている。

こうすべき!とかいうのがないから、押し付けっぽいのが苦手な人にも合うかもしれないね。

お菓子で言うと、メレンゲみたいにすっと口の中で溶けるみたいな本だ。(謎の例え)

ちなみに、現時点で電子書籍版はない。
今後出たらそっちでもほしいな、と思ったので最後に要望を書いて締めることにする。

1 個のコメント

  • 小説など読んで、自分に当てはめるのって、すごく大切ですよね。
    自分の良い所も、悪い(?)と思ってた所も、気付かせてくれる事がありますし、考え方のクセがわかる、正にその通りだと思います。
    読んだ事は無いですが、読み手それぞれに受け取り方を委ねるような内容だと、気楽に読みやすそうな感じがしますね!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ゲームと甘いものがガソリンの20代後半。 北海道在住。最近ADHDと診断される。 落ち込んだり立ち上がったり忙しいので、 雑草みたいな奴だと自分で思っている。